働きたくないイタチと言葉がわかるロボット 人工知能から考える「人と言葉」
働きたくないイタチと言葉がわかるロボット 人工知能から考える「人と言葉」
第三章
アリ塚のロボットは、アメリカのクイズ番組「ジェパティ!」でチャンピオンに勝ったワトソンの事だ。
「富士山の高さは」と質問すればAIは、「3776m」と答えるし
「桶狭間の戦いで今川義元を破った人が1576年に建てた城は?」「織田信長」と答えられる。
しかし
「フクロウのフク子さんは居間で新聞を手に取り、台所を通って、仕事部屋へ行きました。新聞は今どこにあるでしょう?」という質問や
「モグラのモグ平くんは1個80円で買えるまんじゅうを12個持っていました。そのうち半分を妹にあげて、それから二人の友達に二つずつあげました。その後お店に行って、400円で買えるだけ買いました。モグ平くんは今、まんじゅうをいくつ持っているでしょうか?」
りんごを見せて「これはなんでしょう?」
等々の質問には答えられない。
AIは質問に対して、キーワードを抽出してそのキーワードを検索、出てきた新しいキーワードをランク付けして答えを導き出す。
一方で居間から新聞を仕事部屋に持っていったなどは検索しても出てこないので、答えられない。
イタチ「やっぱりおかしいよ、リンゴを見たことも食べたこともないのに、リンゴの質問に答えるなんて、本当の意味で「言葉が分かっている」とは言えないと思うよ」
機械の得意なこと、「記憶力」と「検索能力」。
第四章
レオンちゃんに「わたしに何色が似合う?」と聞かれ、「赤がいいよ」とか「黄色がいいよ」は分かる。しかし「赤か黄色が似合う」とか「暖色系がいいよ」とか「赤は似合わない」「黄色以外が似合う」となると難しい。
さらに「黄色以外は似合わない」「赤しか似合わない」「紫なら似合わないこともない」などなど。
つまり、「文と文との論理的な関係」が分からないとダメ。
時間がないので結論的なこと
窓のそばにいる友人に
「〇〇君、そこの窓あけられる?」という質問は、人間ならば「窓を開けろ」と解釈する。可能か不可能を知りたい質問じゃなくて、あけて欲しいんだという意図をくみとることができる。
泥棒たちがお金持ちの家を下見して、「あそこの金庫があけられるかい?」といったら、これは可能か不可能を聞いている。
AIに常識や意図を理解させることは難しい。